2009年11月07日

2009/11/07(土) 七島計画・三宅島 2 日目

七島計画完結編、三宅島旅行記 2 日目です。1 日目の続きです。


04:30 ぐらいに、かなり大きな音で三宅島へ近づいた事を知らせる放送が流れ、さらに落とされていた照明も付き船内が明るくなります。八丈島まで乗る人にとっては迷惑な話ですが、三宅島までの客には降りてもらう必要があるので仕方ないところなのでしょう。

身支度して寝台を片付けるとすぐに三宅島に到着しました。船外に出ると、まだ真っ暗です。

三宅島に到着したさるびあ丸
三宅島に到着したさるびあ丸

東海汽船の人に荷物の受け取り場所を聞くと、港から少し坂を上がったところを指し示され、そちらへ向かいます。待っていると、船から降ろしたコンテナをフォークリフトが運んできました。このフォークリフトが、船の客がぼんやり突っ立っているところのすぐ近くを豪快にコンテナを持ったまま通りすぎるのにはびっくりしました。
私の他 3 名は手荷物札と交換で自転車を受け取り準備完了ですが、和久さんは輪行袋に入れて預けていたため、まずは組み立てです。
暗い中組み立てを始めたのですが、ちょうど夜が明けていく時間帯で、組み立て終わる頃には、ヘッドライトをつけなくても走れるぐらいの明るさにまでなりました。

時間的にかなり後で撮った写真ですが、ここで参加者の自転車を紹介します。

福西の自転車 (GIANT)
福西の自転車 (GIANT)

和久さんの自転車 (TREK)
和久さんの自転車 (TREK)

奥村の自転車 (ブリジストン ANCHOR)
奥村の自転車 (ブリジストン ANCHOR)

中村さんはモールトンのオーナーなのですが、今回は持ってきていなくて、福西の自転車を借りて乗っていました。(写真撮り忘れました...)

値段は私の ANCHOR が一番安いです。クロモリなので... そして一番重いです。クロモリですから...
重さの違いはせいぜい 2kg ぐらいの違いなのですが、持ってみると、その違いに愕然とします。

和久さんは自転車のペダルにはめてつかう、面白いスタンドを持ってきていました。

和久さんの自転車のスタンド
和久さんの自転車のスタンド

組み立て終わったところで、今回の宿、ホテル海楽へ向かいます。遠いのかと思っていたら、港から上がっていく道が三宅島一周道路に突き当たったところにありました。港からほんの 100m ぐらいのところです。ここは船宿なので、東海汽船で早朝にやってきて、そのまま魚釣りに出かけていく宿泊客がほとんどです。なので、初日の朝からご飯を出してくれます。我々もそれをいただきました。メニューは和食中心のビュッフェです。

ホテル海楽のビュッフェ
ホテル海楽のビュッフェ

奥村の朝ごはん
奥村の朝ごはん

さすが船宿だけあって、ホテルの前に停まっていた車には「OKIAMI」という段ボール箱が山積になっていました。

OKIAMI の段ボール箱
OKIAMI の段ボール箱

ということで、七島計画の主目的である、島一周に出発です。

出発
出発

しばらく走ると大路池という池があり、立ち寄ってみました。一周道路から少し入っていったところに自転車をとめ、そこからは山道っぽい道をかなり下っていかなければならないのですが、その道の途中に、御神木があります。非常に立派な木です。

御神木
御神木

御神木からあと少し下ると大路池です。三宅島には多数ある旧火口の一つです。神秘的な雰囲気を湛えた美しい湖です。

大路池
大路池

さらに進むと、三宅島空港があります。三宅島空港の滑走路の海側には VOR っぽい施設があるのですが、なぜか隣接して 2 つあります。VOR ばっかり 2 つもいらないと思うのですが、なぜなんでしょう?

VOR 1
VOR 1

VOR 2
VOR 2

その先に行くと、出ました、坪田高濃度地区の看板です。この先は徒歩や自転車では原則立入禁止のエリアです。なぜか 2 つあります。

坪田高濃度地区の看板 1
坪田高濃度地区の看板 1

坪田高濃度地区の看板 2
坪田高濃度地区の看板 2

参加者のうち中村さん以外は「このまま行ってもいいのではないか」という意見だったのですが、中村さんの慎重に行動したいという意見を尊重して、タクシーを呼んでこの区間を運んでもらうことにしました。タクシー会社に電話しても、タクシー会社の人も「自転車なら自分で走って行けばいいよ」という意見でしたが、来てもらいました。

タクシーに自転車を積む
タクシーに自転車を積む

今回来てもらった宮原タクシーの運転手の方が、絶対見ておいた方がいいということだったので、タクシーに乗ったまま、立入禁止区域の観光をしました。
写真の建物は、写真を縮小しているので少しわかりにくいですが、元々民宿だった建物のようですが、廃墟化がかなり進んでいます。

廃墟化が進む建物
廃墟化が進む建物

あまりいい写真が取れなかったのですが、他にももっと崩壊が進んだ建物もあります。
立入禁止区域ということですが、風向きによってはこちら側の港を使うこともあるため、護岸工事などの人は普通に仕事をしていました。それ以外に砂防や道路工事など、仕事で止むを得ず入っている人はけっこういるそうです。また、元々この地域の住民だった人は、昼間は入ってきていいそうです。もう住居としては使えない自分の家を片付けたり、荷物の整理をしたりしにくる人がいるそうです。

一方こちらは山の方へ少し入ったところです。大きな木はすべて立ち枯れになっています。噴火からかなり時間が経過しているのに、こういった木が倒壊しないのは、木を腐らせる原因となる微生物も噴火時に一度ほぼ死滅してしまっているため、そういった微生物が他の地域から徐々に移り住んでくるまで、木が腐ることがないためなのだそうです。

立ち枯れした林が広がる山
立ち枯れした林が広がる山

その少し先には、ガイドブックにもよく載っている、ひょうたん山火口が見える展望台がありました。ひょうたん山火口を背景に記念写真を撮ったのですが、自転車を下ろすのは面倒だったので、全員前輪だけ持って記念撮影です。

ひょうたん山火口を背景に記念撮影
ひょうたん山火口を背景に記念撮影

ということで、高濃度地区を通りすぎたところでタクシーを降り、再度自転車を組み立てて一周再開です。

タクシーを降りる
タクシーを降りる

高濃度地区のすぐ北側には、噴火で鳥居が埋没してしまった事で有名な、椎取 (しいとり) 神社があります。

椎取 (しいとり) 神社の埋没した鳥居と、旧社殿
椎取 (しいとり) 神社の埋没した鳥居と、旧社殿

ちなみに、埋没した鳥居ばかり有名ですが、ちゃんと新しく鳥居も社殿も再建されています。背景には立ち枯れた木の林があって、なんとも荒々しい光景です。この林の木も、先ほどの説明同様微生物がいないため、なかなか腐らないのだそうです。

椎取 (しいとり) 神社の新しい鳥居と社殿
椎取 (しいとり) 神社の新しい鳥居と社殿

一周道路で、橋を新設する工事をしていました。これは元々橋がなかった部分に、土石流を流すための空堀のようなものを作っていて、その上に道路を通すための橋です。我々が行った時点で工事中だったのはこの 1 ヶ所でしたが、すでに完成した土石流のための空堀は多数見かけました。火山と戦いながら住んでいる島なのだと実感しました。

土石流を流すための空堀の橋工事現場
土石流を流すための空堀の橋工事現場

そろそろお昼が近づいてきてご飯を食べる場所を探しながら走っていました。ちょうどその頃に何やらいい感じの建物を見つけました。食事が出来るところかなと思って入っていったのですが、この建物は旧三宅島観光ホテルで、現在は三宅島焼酎の店・伊ケ谷酒造さんの店舗となっています。

旧三宅島観光ホテル
旧三宅島観光ホテル

ここでは食事はできませんが、コーヒーは飲めます。美しい海を見ながらコーヒーを飲んで少し休憩しました。

海を見ながらコーヒーでくつろぐ
海を見ながらコーヒーでくつろぐ

食事は、少し先で見つけたラーメンとんとんという店にしました。

ラーメンとんとん
ラーメンとんとん

誰が何を頼んだのか忘れてしまいました... 4 人とも別々のメニューを頼んでいたように覚えています。

ラーメン色々
ラーメン色々

ラーメン色々

ラーメン色々

ラーメン色々

そして、みんな写真を撮ったりしてます。

ラーメンの写真を撮る中村さん
ラーメンの写真を撮る中村さん

ラーメンの写真を撮る和久さん
ラーメンの写真を撮る和久さん

ラーメンを前に何かを考え込む福西
ラーメンを前に何かを考え込む福西

食事を終えて一周再開です。

このあたりで 1 周はほぼ 3/4 が終わり、島の一番北のあたりに入ります。神着 (かみつき) というところには、旧島役所跡があり、そこに東京都指定天然記念物のビャクシンの木があります。生命力を感じる木でした。

東京都指定天然記念物のビャクシンの木
東京都指定天然記念物のビャクシンの木

その先では三宅島一周道路を外れて、伊豆岬園地ラインコースという、海岸沿いを走る景色の綺麗な道を走りました。道の最後の方には伊豆岬灯台があります。1909 (明治 42) 年完成の歴史ある灯台です。四角形の形が珍しいです。

伊豆岬灯台
伊豆岬灯台

伊豆岬灯台の周辺にはベンチや公衆トイレなどもあり、しばらく景色を見ながらくつろぎました。散歩に来ている観光客らしき人もいて、のんびりしたいいところです。

休憩を終えて一周を再開してしばらく進むと、溶岩流に埋没した学校の跡地にさしかかりました。阿古小学校跡です。これは 2000 (平成 12) 年の噴火ではなく、その前、1983 (昭和 58) 年の噴火時の被害です。

阿古小学校跡
阿古小学校跡

教室や体育館にも溶岩が流れ込んだ跡が残されていて、溶岩流のすさまじさが伝わってきました。

阿古小学校跡からほどなく、出発地点であり、1 周のゴールでもある、ホテル海楽へと戻ってきました。

ホテル海楽前で 1 周ゴール記念写真
ホテル海楽前で 1 周ゴール記念写真

08:00am 頃出発して、ゴールは 15:00 頃です。三宅島一周は約 35km しかないので、平均時速はなんと 5km/h です。毎回のことですが、遅すぎますね。
ともあれ、1997 年に大島からスタートした七島計画は、これにて一応の完結を見ました。

一周を終えたので、宿に預かってもらっていた荷物を受け取り、チェックインして部屋へ入ります。サイクリングウェアから普段着に着替えて、夕食の時間までにお風呂に行くことにしました。宿の前には、宿の人が使っているものや、レンタル用の自転車や原付オートバイが置いてあるのですが、潮風のためか、サビがものすごいことになっています。

サビサビ自転車
サビサビ自転車

サビサビ原付オートバイ
サビサビ原付オートバイ

お風呂は、宿から少し歩いたところにある、「まるごとしぜん三宅島ふるさとの湯」という施設です。公共 (村営) の施設のようです。入浴料は 500 円です。宿からふるさとの湯へ歩いていく時、ちょうど夕暮れ時で、水平線に三本岳が美しく見えていました。

水平線に浮かぶ三本岳
水平線に浮かぶ三本岳

三宅島ふるさとの湯
三宅島ふるさとの湯

お風呂上りには、宿の目の前にあるスーパー Tsuchiya さんに寄りました。牛乳煎餅は、三宅島の名物で、定番のお土産なのだそうです。くさやも売っていました。

牛乳煎餅
牛乳煎餅

くさや
くさや

スーパーの店内掲示板には、三宅中学校の文化祭のポスターも貼られていました。時間が 9:00 〜 12:20 と、妙に細かくかかれているのが不思議でした。これまでの伊豆七島の旅での経験から、伊豆七島の人は文化祭や運動会に思い入れがあるという印象を持っていたのですが、この文化祭には、三宅島の人はそこまで熱くないようでした。

2009 三宅中学校の文化祭のポスター
2009 三宅中学校の文化祭のポスター

夕食は、ホテル海楽の宿泊についています。高級な料理とことは全くないのですが、品数が多くて、ここのおかずも美味しくて、楽しめました。

ホテル海楽夕食
ホテル海楽夕食

ホテル海楽夕食

食事の度に、みんな写真を撮ってます。

夕食を撮影中
夕食を撮影中

夕食を撮影中

こんな風に三宅島旅行 2 日目が暮れていきました。

3 日目へ続きます。


posted by Okumura at 23:42 | 🌁 | Comment(3) | TrackBack(0) | 旅行記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うぅ。なんか私だけビビリーみたいな・・・いや、そうなんですが。
ほら、これで事件起こして、自転車趣味のみなさんが後ろ指さされちゃいけないと思って・・・。

> 誰が何を頼んだのか忘れてしまいました

私のは、店の名前を冠した「とんとん麺」なるものでした。
写真一番上がそれです。
ひき肉の入っていない坦々麺みたいな感じでした。

> 品数が多くて、ここのおかずも美味しくて、楽しめました。

これで終わりかと思いきや、どんどんどんどん出てくる料理には驚きましたが、
料理の最後に出てくるのは、ふつーフルーツとかデザートとかでしょう?
最後にステーキが出てくるとは、意表を突かれました。
お腹いっぱい・・・美味しかったけどね!
Posted by ちゃがま at 2010年02月06日 09:44
> ちゃがまさん

あの立入禁止がどのぐらい深刻なものか (というか、どのぐらい深刻でないものか) は、入る前はわかっていなかったので、あの決断自体は仕方ないのではないでしょうか。でも事前に調べていれば、三宅島一周サイクリングレースで普通に立入禁止区域を通過しているし、当日の風向きもよかったしで、自転車で行って全然問題なかったとは思います。

宿のご飯は、量に驚きました。魚釣りに来る人は体力勝負だから、たくさん食べたい人が多いのでしょう。
Posted by Okumura at 2010年02月06日 17:51
ふむ。
まぁ、なんにせよ、面白い体験ではありました。
タクシーの運ちゃんの手の動きのスローモーションとか。
Posted by ちゃがま at 2010年02月13日 09:02
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック